年をとったらピエロになれる人が強い
若いころを振り返ると恥ずかしくなりませんか。
ぼくはなります。
虚勢を張ってましたよね~。
なんとか自分を大きく見せようとする。
なぜなら、モテたいから!
クジャクが大きく羽根を広げるように、本物の自分よりも大きくカッコよく見せたい。
それを、女の子に見てほしい。
ドラマを見てると、出てくるヤンキーは肩をいからせて登場するのが定番です。
まさに物理的に大きく見せようとしていますね。
わかりやすい。
あんなヤンキー、本当にいるんだろうか。
もはや絶滅危惧種じゃないだろうか。
ともかく、モテたいというのは人間の本能であって、まあ男のカワイイ部分ではあります。
虚勢を張るのは、自信がないことの裏返しでもあります。
真の実力があれば、わざわざ自分を大きく見せる必要はないから。
本当にデキる人は、たいてい謙虚です。
あと、立場によっては見栄を張らないといけない場合もあるかもしれません。
会社では課長から部長、取締役と肩書が重くなるにつれて、威厳というか、たたずまいみたいなものが求められるようになります。
何人もの部下に命令する立場である以上、ヘラヘラしていてはひとは動かないからです。
組織を動かすという役割を果たすためには、厳しさを保つ必要があります。
上司という立場上、自分の弱さをさらけ出すことができないのは仕方ありません。
優柔不断で弱っちいリーダーには誰もついてきませんからね。
だけど、退職したら話は別です。
部長や局長の立場から離れたら、もはや威厳など必要ありません。
すでにタダの人なんです。
よく高齢のおじいさんがコンビニの店員などに居丈高になって威張り散らしているという話が出てきますよね。
きっと彼らは、虚勢を張る習慣からいまだに逃れられていないのでしょう。
彼らは勘違いしています。
逆なんですよね。
年を取ったら、弱みをさらけ出せるひとの方が強いんです。
おばあちゃんユーチューバーが日常生活を伝えて人気になったりしてますよね。
いいんですよ、カッコよくなくても。
スポーツでも楽器でも、中高年になってから頑張って何かに取り組む姿に、みんな共感して応援するんです。
下手くそで構わないし、むしろ下手くその方がリアリティがあっていい。
反射神経は鈍っているし、体は思うように動かなくなっている。
そこが面白いんです。
ピエロになって笑われた方がオイシイんです。
年を取っていなくても、人気ユーチューバー「てんちむ」のように、自分のだらけた側面を隠さずにさらけ出したり、スッピンのまましゃべったりするひとが受けています。
中高年だったら、なおさらです。
いくらカッコつけたって、どうせ中年のオジサンなんてモテません。
それなら、笑われて周りに楽しんでもらったほうがずっといい。
よいお手本が香川照之です。
東大卒の俳優で歌舞伎役者という、これ以上ない肩書を持ちながら、50歳を過ぎたらカマキリの着ぐるみをきて「カマキリ先生」を名乗っているじゃないですか。
最近は息子から「うるせえカマキリ」と言われて落ち込んでいる、というニュースがありましたね。
おいしすぎる。
みんなも頑固なオヤジより、親しみのもてるオジサンを目指しましょう。
さあ、ピアノの練習しようっと。