高円寺「てげてげ」の鶏飯丼を食べて南国気分を味わう
よく知られている沖縄の言葉に「なんくるないさ~」というのがありますよね。
「何とかなるさ」という意味です。
いかにも沖縄っぽくて、ステキな言葉です。
「なるようになる」と和訳されて映画の主題歌で知られるようになりましたね。
ラテンとか南国の魅力って、こういうユルさにあるんじゃないかと思います。
温暖なところって、道端で寝ていても凍死しませんからね。
そこらへんにバナナやらマンゴーやらがたわわになっていて、飢え死にすることもない。
以前、赤道に近いブラジルの東北部を訪れたとき、市場に立ち寄ったことがありました。
バナナが食べたいと思って、「5本くらい買いたい」と店の人に言ったら「うちはキロ単位でしか売らないから、タダでやるよ」と言ってポンと1房くれたことがありました。
こんな国に住んでいたら、「まあ、どうにかなるやろ」という気持ちになるのは自然なことでしょうね。
ブラジル人の明るさの根本には、南国の自然の豊かさがあるのではと思いました。
必死に働いて家にこもらないと生き延びていけない北国とは人々の気質が違ってきますよね。
「てげてげ」は鹿児島の方言で、「いい加減」「適当」という意味です。
テキトーでいいよ~、という南国の雰囲気が漂いますね。
高円寺の「てげてげ」は、鹿児島の奄美大島の料理が楽しめるお店。
庚申通り商店街を北に歩いて行ったところにあります。
一歩、店のなかに入るとそこはもう南の島。
カウンターはヤシの葉の屋根で覆われ、ゆったりとしたファンキーなレゲエ音楽が流れています。
テーブルは赤いタイル張りで、いかにも南の島の食堂。
キーマカレーやデミグラスハンバーグもおいしいのですが、ここはやっぱり、奄美名物の鶏飯をいただかなければ。
ランチの「鶏飯丼セット」(870円)を注文しました。
ごはんの上に鶏のささみ、ネギ、のり、しいたけ、金糸玉子がのっていて、いかにもヘルシー。
それに鶏がらスープがかかっていて、さらさらと食べられます。
刻んであるパパイヤ漬も入っていて、これがコリコリした食感で味わいに変化を与えてくれます。
しいたけの甘味に、鶏がらスープのうまみがたっぷり。
夏場はとくに食べたくなりますね。
セットには、あおさ入り玉子焼きとサラダ、それに地豆豆腐がついています。
粘り気がある独特の豆腐で、これもうまい。
あっという間に平らげてしまいました。
まいう~。
あっ、これは奄美の言葉じゃないです。
最近は大雨被害やコロナの影響で、世の中がちょっと沈み込んでますよね。
ほんとうは南の島でのんびりしたいんだけど、東京から気軽に飛んでいけない雰囲気もあります。
なんかギスギスしている。
そんな空気が広がっているときこそ、「てげてげ」「なんくるないさ~」「ケセラセラ♪」のおおらかな気持ちをもっていたいものです。