49歳からのセミリタイア生活

49歳で早期退職しました。東京・高円寺の街あるき、時事ニュース、趣味のことなどをつづります。1日おきに更新。

「人生100年時代」の罠に引っかからないために

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テレビを見ていると、元気なお年寄りがよく登場します。
「90歳で今でも現役の職人さん!」とか「93歳で毎日店頭に出ている名物おばあちゃん」とか。
テレビの視聴者は高齢層がメインだから視聴率は上がるでしょうね。
Appleも認める82歳(当時)のおばあちゃんプログラマーが国連で講演した、というニュースもありました。
おじいちゃん、おばあちゃんのユーチューバーも増えているし、従来のお年寄りのイメージはだいぶ変わってきているようです。

「老後2000万円」問題も、男性が95歳まで生きると想定して計算されています。
100歳以上の高齢者は7万人を超えていて、まったく珍しくなくなりました。
「100歳までよく生きたな〜」と思っても、まだ上に7万人もいるんですよ!
こういうニュースを見聞きすると、みなさん「100歳まで生きるとしたら、どんな準備をしないといけないだろう」とあれこれ心配するかもしれません。

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ここで少し冷静になってみましょう。
日本の男性の平均寿命は81・25歳です。
90歳、100歳まで生きる人がいるということは、同じくらい60代、70代で亡くなる人がいるということです。

アラフィフのぼくの中高時代の同級生も、すでに10人以上が他界しています。
交通事故に遭った人もいれば、闘病の末に亡くなった人もいます。
自殺者も出ています。
50代にもなると仕事や家庭のストレスが増えて心身の調子を崩す人が増加するでしょう。
60代、70代になれば、亡くなる人の数はさらに増えるのは間違いありません。
40代、50代で死んだら「まだ若いのに・・・」と思われるでしょうが、60代、70代になると「もうそういう年だよなあ」と思うようになります。
死ぬことが現実味を帯びてくるのです。

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人生100年時代」というスローガンに踊らされると、「70歳までは会社にしがみつかないと」「いや、80歳までは働かないと」という考えに陥ります。
だけど、100歳まで生きるのと同じくらい、65歳までに死ぬ可能性があるんですよ。
毎日毎日、満員電車に揺られて通勤し、心身をすり減らしながら働いて老後資金を貯める。
「70歳で会社を辞めたら海外をのんびり旅行しよう」などと夢想しながら辛い生活に耐える。
なのに、「老後資金」をそっくり残したまま65歳でポックリ死んでしまったら、どう思うでしょう。
行ってみたかった国はありませんか。
会いたかった人はいませんか。
やってみたかった趣味はありませんか。
もっと家族と一緒に過ごしたかったと思いませんか。
65歳で他界した時、人生に後悔はありませんか。

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ぼくは50歳を過ぎたら、いつ死んでもおかしくないと思いながら生きることにしています。
やりたいことは「今」やる。
会いたい人にはすぐに会いに行く。
後悔を残さないように生きる。

ちなみに、今年50歳になる人が100歳まで生きる確率は6%です。
50年先の、6%しか起きない出来事に備えて「今」を犠牲にするのはどうなんでしょう。
「東京の首都直下地震が今後30年間に70%の確率で起きる」と政府の地震調査委員会は示しています。
確率から言えば、そっちに備える方がよっぽど現実味がありますよね。
心配し過ぎても、50年後のことなんて誰もわからない。
だから、今を楽しく生きよう。