お好み焼きの進化系! 高円寺「ごん」のヤキオムライス
みなさん、「ごん」という言葉を聞いて何を思い浮かべますか。
「タンスにゴン」。
大人気だったCMですね。
「亭主元気で留守がいい」の名言を生み出しました。
それとも「ゴン中山」ですか。
サッカーファンなら、かつての日本のエースストライカーのことを思い出すでしょう。
こちらも「蝶のように舞い、蜂のように刺す!」の言葉が印象に残っています。
あとは「ごんぎつね」。
ちょっと悲しい物語。
文学好きならこれですかね。
この3つは、「日本の3大ごん」と呼ばれています。
ウソです。
高円寺の「ごん」と言えば、カフェテラス「ごん」の一択です。
オムライスで知られる喫茶店。
ちょっと入りにくいかもしれませんが、心を決めて狭い階段を上っていくと、昔懐かしい雰囲気の店にたどりつきます。
中に入ると、いかにも昭和の喫茶店。
本棚にはマンガの本がずらりと並んでいます。
いつまでも長居できそう。
なのに、BGMは優雅な映画音楽。
このミスマッチがなんとも言えません。
壁には、こんなポスターもかけられていて、これまたシュールです。
メニューをみると、カレーやホットケーキのほか、ぞうすいに至るまでバラエティーに富んでいます。
「みるくぞうすい」なんてのもありますね。
興味のある方は、ぜひ頼んでみてください。
看板料理はオムライス。
こちらもタラコオムライスやクリームオムライス、ハッシュドビーフオムライスなど種類が豊富です。
ぼくがおススメするのは、「ヤキオムライス」。
お好み焼きの「焼き」だと思うのですが、なぜかメニューでは全部カタカナ書きになっています。
日本人って、いろんな味のコラボが好きですよね。
パンにあんこを入れてアンパンにしてみたり、アイスクリームに抹茶を入れて抹茶アイスにしてみたり。
だけど、定着したのはごく一部です。
成功した数少ない商品の影には、ボツになったマズい失敗コラボ料理が死屍累々と横たわっているのです。
そんななかで、このヤキオムライスは奇跡のような成功例と言っていいでしょう。
見た目はお好み焼き。
青のりとカツオブシがのっていて、マヨネーズもお好み焼きと同じようにかかっている。
一口食べると、お好み焼きとオムライスが絶妙に混ざり合った味が口の中に広がります。
ごはんにトロトロした卵、かかっているケチャップはまさにオムライス。
だけど、中に入っているキャベツと玉ねぎのシャキシャキ感はお好み焼きの雰囲気をしっかりと伝えています。
オムライスとお好み焼き、双方のおいしさをギリギリのバランスを保ちながら表現した、匠の一品と言っていいでしょう。
サラダとドリンク付のランチセットで980円。
ぼくとしては、もう少しボリュームがあったらうれしいなと思うけど、食べすぎもよくないので、腹八分で良しとしておきます。
食後のコーヒーを楽しみながら窓の外の風景を眺めます。
ときには、こんなランチもいいですね。