49歳からのセミリタイア生活

49歳で早期退職しました。東京・高円寺の街あるき、時事ニュース、趣味のことなどをつづります。1日おきに更新。

新型コロナについて分かってきた5つのこと

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新型コロナがニュースに出てくるようになって、早くも半年がたちました。
その間、大雨被害などを除いてほぼ連日トップニュースになっています。
それも日本だけでなく、世界中で。
同じ事柄に関するニュースが世界中で半年もの間トップニュースであり続けたことなんて、ここ数十年で初めてではないでしょうか。
おそらく第二次世界大戦以来では。
新型コロナについては毎日いろんなニュースが報道されていますが、分かってきたことを備忘録も兼ねてつづりたいと思います。
もちろんぼくは専門家でもなんでもないので、できるだけフラットな視点で。

①感染者の増加・減少のメカニズムはいたってシンプル
新型コロナが拡散し始めてから各国で様々な対策が打ち出されてきました。
厳格なロックダウンをした国もあれば、スウェーデンのように行動制限を加えない独自の路線を歩んだ国もあります。
その結果、明らかになったことがあります。
外出制限をすれば感染者は減り、制限を解除すれば増加するということです。
あまりにシンプルなメカニズム。
日本でもそうですよね。
緊急事態宣言でみんなが外出を自粛した後は急激に感染者数が減りましたが、解除されると再び増加しました。
アメリカでも、制限をした州は減り、緩めている州は増えている。
欧州だろうがアジアだろうが、世界中どこでも同じメカニズムで動いています。

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②行動制限を長期で続けるのは難しい
感染者を抑えるには、外出自粛などの行動制限をすればいい。
わかりやすくて効果的な方法ですが、これを長期で続けるのは非常に困難です。
なぜなら経済が回らなくなるから。
ヨーロッパでもアメリカでも日本でも、1〜2ヶ月は制限できても、それ以上になるとギブアップしています。
どこも、たまりかねたように制限を解除しているのです。
次々と飲食店や企業が倒れていくのを放置しておけないのですね。
特に先進国は経済規模が大きいので、行動制限によって打撃を受ける額も巨大になります。
また、先進国はすべて資本主義の民主主義国家なので、企業や国民の声が政策に反映されやすい。
よって、外出制限も一定期間たった後は、新型コロナを完全に抑えこめていなくても行動制限を解除せざるを得ないのですね。

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③行動制限の再要請も難しい
いったん抑え込んだ感染者数が再び増加し始めたら、また行動制限すればいい。
理屈ではそうなります。
実際、オーストラリアは再び感染者数が増え始めており、再度の行動制限が実施されています。
ただ、これもとても難しい判断です。
飲食店のオーナーなどからすると、水面下でもがき苦しんだ時間を耐えてやっと浮上できたかと思ったら、また頭を押さえつけられて水の下に沈められるようなものです。
心が折れます。
人々の行動をコントロールするのも難しいですね。
長い期間引きこもって我慢していたのが開放され、やっと自由に動けるようになったのを、また元の引きこもり生活に戻すのは簡単ではありません。
財政面の問題もあります。
「第1波」で巨額の給付金や補助金を出して人々の生活を支えたものの、これ以上の支出は耐えられない政府や自治体は多いでしょう。
東京都は貯金にあたる「財政調整基金」の9割以上を新型コロナの対応ですでに取り崩しています。
もう財布は空っぽなのです。
感染者が拡大するなかで日本政府が「GoToトラベル」を推し進めているのも、観光業界が瀕死の状態だから。
緊急事態宣言を再度発令するのはとても難しい状況のようです。

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④新型コロナはしぶとい
インフルエンザの流行は、夏になると自然とおさまります。
新型コロナに関しても淡い期待がありましたが、残念ながら夏の太陽はこのウイルスにはそれほど効果がなかったようです。
季節に関係なく猛威をふるっています。
また、いったん抑え込んだかに見えても新型コロナは油断をするとすぐに拡散します。
中国や韓国のように厳しい対策を講じていても、ポツポツとクラスターが発生してしまうのです。
一度は「コロナ対策の優等生」とされたオーストラリアも、最近は感染者数が急激に増えています。
ずっとゼロに抑え込み続けるのは難しく、このウイルスとの戦いは長期化を覚悟する必要があります。

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⑤専門家の知見は深まっている
以上のことだけを見ると、気持ちは暗くなってしまうのですが、希望はあります。
各国のリーダーは様々な政治的な思惑もあって対策にばらつきがあるのですが、医療関係者や研究者ら専門家たちの知見は確実に深まっています。
症例やデータの分析が進み、共有されているからです。
いま各製薬会社によるワクチン開発が急速に進められています。
苦しんでいる人たちを救うという使命感だけでなく、先には膨大なマーケットが広がっているので必死です。
開発に成功した暁には、富と名声が待っています。


最近は治療法も確立されてきているようです。
専門家の忽那賢志さんは「第1波」と「第2波」の違いについて、自身の記事のなかでこう述べています。

第1波のときとの大きな違いがあります。
それは現在新型コロナの治療法がある程度確立してきていることです。
例えば、第1波のピークが過ぎた5月7日に国内ではレムデシビルという抗ウイルス薬が使用可能となりました。
これはランダム化比較試験というエビデンスレベルの高い臨床研究で効果が証明された治療薬です。
(中略)
実際に診療をしていて、これまでは人工呼吸管理になっていたようなハイリスク患者が、早期に治療を開始することで人工呼吸管理を回避できるようになってきたという実感があります。

 あとは時間との戦いですね。

政府にはもはや打つ手がないように見えます。
感染による犠牲者が爆発的に増える前に、ワクチンや治療薬の開発が間に合うのか。
個人としては、できうる対策を講じながら、世界の研究者たちの能力に希望を託したいと思っています。