極楽は、高尾山のふもとにあった
最近、いいニュースがないですね。
テレビで気になるのはニュースよりもむしろ天気予報です。
雨が続いているので、その合間の晴天の日を逃すわけにはいきません。
きょうは、その貴重な晴れの一日。
天気予報を見た妻は「よしっ、洗濯ができる」と口にしましたが、その横でぼくは「よしっ、山に登れる」とつぶやきました。
そう、梅雨でも山歩きができるチャンスを狙っている日々なのです。
2日続けて晴天なら、その2日目は山道を歩けます。
ただ、前日に雨が降っていたら、その日は晴れていても山道はぐちゃぐちゃにぬかるんでいるので、山歩きは厳しい。
それでも楽しめる山が、高尾山です。
舗装された「1号路」なら、ぬかるみ無しで頂上まで登山できるのです。
舗装道路を歩くのでちょっと風情に欠けますが、梅雨の時期なのでぜいたくは言ってられません。
運動不足を避けるため、高尾山の1号路をテクテク登ることにしました。
きょうはゆっくり、ゆっくりを心掛けました。
いつもゼイゼイハアハア息を切らしながらスタスタ登っていくのですが、たまにはのんびりもいいかと。
ふだん40分ほどで山頂にたどり着くところを、70分かけて頂上へ。
日は照っているけれど、吸い込む空気は冷たくて気持ちいい。
肺の奥まで染みわたっていきます。
ゆっくり歩いたのには理由があって、きょうは山頂の「やまびこ茶屋」でカレーを食べようと思っていたのです。
開店時間に合わせて、ペースを落としたというわけです。
山頂からの眺めはバッチリ。
富士山こそ見えませんでしたが、青空に山々が映えて素晴らしい眺望です。
さっそく「やまびこ茶屋」に入ります。
客は自分も含めて2組だけ。
「特製カレーライス」(900円)は、懐かしい銀の皿に入れられ、運ばれてきました。
昔ながらの懐かしい味。
小学校の給食に出てたカレーもこんな感じだったかなあ。
「特製」と謳っているわりには特徴のない味です。
いまは「南インド風」や「スパイスカレー」が全盛ですからね。
そんなカレー界の最前線からは、一番遠い味と言っていいでしょう。
やや物足りない感じ。
だけど、これこそが「山のカレー」なのかもしれません。
いつかはどこかの山でテントを張り、山頂でレトルトカレーでも温めて食べてみたいな。
きっとすごく美味しいだろうなあ。
登山初心者の夢は広がります。
とまあ、ここまでは前菜です。
きょうのメインディッシュは下山した後に待っています。
入り口は、京王・高尾山口駅から。
トンネルを抜けると・・・
そこは極楽だった!
「京王高尾山温泉 極楽湯」。
タオルを持参しているので、入浴料の1000円を払って入ります。
ここは露天風呂が広々として充実しているのが、いい。
ヒノキ風呂に、炭酸風呂。
山の木々を眺めながら湯舟に浸かり、涼しいそよ風を肌身で感じる。
「あ~極楽、極楽」
きっと何万人ものオジサンたちが、同じセリフをつぶやいてきたに違いありません。
きょうの日替わり風呂は、紅茶風呂でした。
アフタヌーンティーのようなくつろぎのひとときを、高尾山のふもとで楽しみます。
平日の午前中から、なんというぜいたく。
これこそが、セミリタイア生活のあるべき姿と言っていいでしょう。
お風呂から出たら、お食事処でコーヒーフロート(380円)をいただきます。
風呂が紅茶だったから、コーヒーね。
うむ、余は満足じゃ。