セミリタイアしても月に2回、ストレスがかかる日がある
セミリタイア生活が始まって5カ月あまり。
仕事につきまとう面倒な人間関係も、締め切りのプレッシャーも皆無になりました。
当たり前ですが、会社から電話がかかってくることもないし、メールも届きません。
通勤電車に乗ることもなくなりました。
パソコン作業が減って目の疲れが少なくなったし、肩こりも和らいだ感じがします。
週に1回は山登りをして緑に触れ、新鮮な空気を胸いっぱいに吸い込んでおります。
さらに、毎週1回、平日の朝からスーパー銭湯に行ってリラックス。
1日中ダラダラと湯舟に浸かって過ごし、置いてあるマンガを読んで楽しんでいます。
スーパー銭湯で読み始めた「信長のシェフ」は、いよいよ佳境に入ってきてワクワクしています。
ああ、極楽。
あとは、高円寺の街をブラブラ散歩して、気が向いたらカフェに入ってお茶をすする。
こんなストレスフリーな日々が続いています。
しか~し。
お気楽なセミリタイア生活にも月2回、プレッシャーと戦う日があるのです。
それは・・・
ピアノのレッスン日。
笑ってください。
小学生みたいでしょ。
でも、49歳でピアノを始めたぼくのようなオジサンは上達のスピードが亀のようにのろく、与えられた課題をなかなかこなせないんですよ。
たいてい、うまくできないままレッスンの日を迎えるわけです。
それに、「本番では練習のときの8割も力を発揮できれば上出来」と言われるくらい、練習と本番とは違います。
レッスンは、ぼくにとっては「本番」なんです。
練習ではなんとか弾けていたところも、先生の鋭い視線の前では、間違ってしまいます。
情けない。
こうやって書くと、ピアノの先生は鬼教官みたいですが、そうではありません。
見た目はギャル系です。
「は~い、元気でやっていきましょ~!」というノリで現れます。
ところが、そこは音大ピアノ科卒のプロ。
容赦ない指摘が次々と飛んでくるのです。
「テンポをもっと上げて!」「最後はもう少しソフトにタッチして!」などなど。
音大でスパルタ教育を受けた片りんがうかがえます。
初心者用の簡単な曲でも、ちゃんと曲の雰囲気を伝えるべく最善を求めるのです。
「こっちは鍵盤を正しく押さえようとするだけで必死なのに、この下手くそレベルで音楽性まで求められてもなあ・・・」とぼくは内心ぼやいているのですが、ともかく「ハイ!」と返事して言われたことができるように頑張るわけです。
だけど、「左手をもっと弱く」と指摘されて弾きなおすと、「あ~、両手とも弱くなってしまいましたね~」と言われる始末。
ペダルの踏み方を教わったときは、右手と左手に足まで加わってパニックになり、てんでバラバラになって弾けなくなってしまいました。
情けない。
この話を友人にしたら「先生をもっと優しい人に代えた方がいいんじゃない」と言われました。
でも、代えるつもりはありません。
ギャル先生は熱心なんですよ。
ぼく以外の生徒を教えているところが聞こえてきたことがあるのですが、難解なクラシックをしっかりと指導していました。
本領発揮です。
それが、こんなオジサンの超初心者に対しても手を抜かずに教えてくれるのはありがたいことです。
指導法も論理的でわかりやすいので、当面は頑張ってついていこうと思っています。
友人からは「どうせギャルが気に入ってるんじゃないの?」とも聞かれたのですが、正直あんまりタイプじゃありません。
ホントですよ。
だけど、同じプレッシャーがかかるのなら、男の先生よりはギャル先生の方が断然いいよな。